島を進める4時間枠なのに、今回いちばん濃かったのは住民同士の出来事よりMiiの顔だった。宝鐘マリンが2026年4月21日に配信した『トモダチコレクション わくわく生活』は、公式配信タイトルどおり「ちゃんと表情が動く可愛いキャラクリ講座」として見ても面白い回になっている。猫又おかゆとFUWAMOCOを例に、目の距離、前髪の入り方、鼻と口の位置、髪色の置き方まで、二頭身のMiiへ落とし込む時の判断が細かく語られていた。
最初から完成品を見せて終わる配信ではない。配信冒頭3分台で、マリンは前日にかなり長くキャラクリしていたこと、最初におかゆを作ってから作り方を変えたことを話している。そこから11分台のおかゆ、20分台のもこ、29分台以降のふわへ進む流れを見ると、ただ似せるだけではなく、ゲーム内で動いた時に破綻しない可愛さを探していたのが分かる。
この記事では、配信の中でもキャラクリ講座として密度が高かった序盤を中心に整理する。トモコレの生活パートそのものも楽しいが、この回の読みどころは「どの特徴を残し、どの特徴を思い切って省くか」をマリンが画面上で考え続けていたところにある。キャラクリに詳しくなくても、顔のパーツが一つずつ決まっていく順番を追うだけで、見た目の説得力がどこから生まれるのかがつかみやすい。
元配信は4時間12分を超える長さで、島の生活や住民のやり取りも当然入っている。ただ、序盤のキャラクリ解説だけでも一本の記事にする価値があるくらい、観察の粒度が細かい。配信アーカイブを後から見る場合も、まず3分台から37分台までを押さえておくと、このシリーズでマリンが何を大事にしているかが見えやすい。
配信を途中から見る人にとっても、この序盤は入口として使いやすい。島で起きた出来事を追う前に、住民の顔がどう作られたかを知っておくと、その後の画面の見え方が変わる。細かいパーツの話をしているようで、実際には「この島で誰をどう見せたいか」という準備の話にもなっていた。
ゲーム配信の記事として見ると、攻略の進行よりも作業の観察が中心にある回だ。だからこそ、時系列をただ追うより、マリンがどの場面で何を基準にしたかを拾う方が読みやすい。今回はその基準が、キャラごとに少しずつ違っていた。
もう一つ大きいのは、完成したMiiを褒めるだけで終わらないところだ。上手い人の作業は、結果だけ見ると最初から迷わず作れているように見える。ところがこの配信では、迷ったところ、順序を間違えたところ、後から直すところまで見える。だから、キャラクリの経験がなくても「上手さ」の中身を分解しやすい。
キャラクリの夢まで見るほど、作り方を変えた導入

冒頭3分台の話でまず伝わるのは、今回のキャラクリが配信中の思いつきではないことだ。マリンは前日に複数人分を作っていたと説明し、作業中に見えてきた反省もそのまま話していた。主線を描き、色を塗り、シルエットが悪ければまた描き直す。その流れだと時間がかかるし、あとからグラデーションをかける時に主線が消えて結局引き直すこともある。そうした試行錯誤の末に、今回は先にシルエットを取る方法へ寄せたという整理だった。
この導入があるので、以降の説明は単なる「上手にできました」という披露に見えない。キャラクリをする時、視聴者が最初に気にしやすいのは目や髪色のような分かりやすいパーツだと思う。けれどマリンが先に話したのは、作業手順そのものだった。どの順番で描くと無駄が減るのか、どの段階で形を決めると直しやすいのか。可愛さの話をしながら、かなり実務的な作業改善の話にもなっている。
4分台では、姉妹設定を試したいという理由からFUWAMOCOを入れようと思ったことも語られていた。トモコレは住民同士の関係性が勝手に動いていくゲームなので、誰を住民に入れるかだけでも遊び方が変わる。だからこそ、並んだ時の見栄えを先に確認したくなるのは自然だ。マリンも、ふわもこが並んだ姿を見たくて配信外で会わせたところ、勝手に会話が始まって顔見知りになってしまったと笑っていた。
ここがこの回らしい。ゲームのシステムに任せて島の出来事を眺めるだけではなく、住民として入れる前の見た目からもう遊びが始まっている。誰を入れるか、どう並ぶか、会った時にどう見えるか。その前段階として、まずMiiの顔が納得できるかが大事になる。マリンのトモコレ配信は生活パートの偶然性が強い一方で、その偶然を受け止めるための準備にかなり手間がかかっているのが見えた。
冒頭では、キャラクリ動画が配信外の人にも届いているという話も挟まっていた。ここは軽い雑談として流れていくが、今回の回を考えるうえでは意外と大事だ。細かいパーツ調整は、普通なら作業者の中だけで完結しやすい。けれどマリンは、その細かさを配信の見せ場として成立させている。作業が細かいほど視聴者が置いていかれそうなのに、理由を言葉にし続けるので、見ている側も「そこを見るのか」とついていける。
また、配信タイトルに「表情が動く」と入っているのも大きい。静止画で似ているだけなら、極端な位置にパーツを置いて一枚絵として寄せる方法もある。けれどトモコレのMiiは話し、瞬きし、表情を変える。目や口が動いた時に可愛いか、髪やまつ毛で隠れた時に違和感がないか、住民として画面内に並んだ時に浮かないか。今回の説明は、そこまで含めて「動くキャラ」を作るためのものだった。
この前提があると、後半で何度も出てくる「一旦比べる」「やっぱり直す」「ここは諦める」という判断も、雑な妥協ではなく見せ方の調整に見えてくる。完全再現を目指すと、ゲーム内の制限にぶつかって顔が硬くなる。かといって省きすぎると誰のMiiか分からない。マリンはその間を、かなり感覚的に、でも言葉ではっきり説明しながら進んでいた。
ここで覚えておきたいのは、マリンが「似せる」と「可愛くする」を同じ意味で扱っていないことだ。似せるための要素を拾いながらも、ゲーム内の顔として可愛くなければ戻す。逆に、多少元の位置からずれていても、動いた時に印象が出るなら採用する。今回の講座は、VTuberの外見をそのまま再現する話ではなく、制限のあるMiiへ変換する時の優先順位を見せる回だった。
おかゆ先輩は前髪と目の距離から詰めていく

11分台で最初に取り上げられたのは猫又おかゆのMiiだった。ここで目立つのは、いきなり「目をどう似せるか」だけに入らないところだ。髪色に少しピンクを入れたこと、眉毛を垂れ気味にしたことを置いた上で、目をかなり離している理由を前髪と結びつけて説明する。目の間にかかる前髪の量を考えると、このくらい距離がないと入り切らない、という見方だ。
キャラクリを見る側は、目が離れているとそれだけで「本当にこれでいいのか」と思いやすい。けれどマリンは、その距離を単体で判断していない。目と目の間に何を入れるのか、前髪の幅がどれくらい必要なのか、髪のベースカラーで縁取りした時にどこまで顔が隠れるのか。顔のパーツを一個ずつ正解に近づけるというより、顔全体の置き場所を先に決めていく感じだった。
12分台に入ると、前髪の幅が足りないとして調整をやり直す流れになる。細い線ではなく少し太い線を使い、まっすぐ縁取りしてから、目の距離を近くするか遠くするかを何度も見比べている。ここが見ていて面白い。視聴者に完成形だけを見せれば数秒で済むところを、迷っている途中の画面まで見せるので、似せる作業がどれだけ相対的な判断の積み重ねかが分かる。
おかゆのMiiでは、目のキラキラも特徴として拾われていた。ただ、そのキラキラだけで本人らしさを作ろうとはしていない。眉毛の傾き、髪色の薄いピンク、前髪の位置、目の距離が合わさった時に、初めて「それっぽく」見える。二頭身のMiiでは、細かな装飾をそのまま全部入れるより、視線が最初に拾う形を決める方が効いてくるのだと思う。
この考え方は、初見者向けの補足としても分かりやすい。Miiの顔は、現実のイラストほど自由に細部を増やせるわけではない。パーツの位置、線の太さ、色数、表情の動きが限られている。その中で本人らしさを出すには、細かい装飾を全部入れるより、顔を見た瞬間に目が行く輪郭や前髪の入り方を決める方が強い。おかゆ先輩の例では、その役割を前髪と目の距離が担っていた。
16分台の鼻と口の説明も、かなり具体的だった。鼻の影をどこに置くかについて、目の下の線を基準にして少し下へ置くと話している。口も小さめにする。さらに、描こうと思った要素でも、画面上で変に見えたものはやめる。ここには、元の印象を拾う作業と、Miiとして見た時の可愛さを守る作業が同時にある。
特に鼻の位置は、視聴者が見落としやすい部分だと思う。目や髪と比べると小さな差に見えるが、二頭身の顔では鼻と口の距離が少し変わるだけで幼さや表情の方向が変わる。マリンがここを基準線で説明していたことで、今回のキャラクリが「感覚だけの似せ」ではなく、画面のどの線を拾うかという観察の話になっていた。
おかゆの章で印象に残るのは、何度も「スペースが足りない」問題が出てくることだ。耳を本当はもう少し起こしたかったが、スペースが足りないので倒した、という説明もあった。つまり、似せたい要素はあるけれど、ゲーム側のキャンバスは限られている。その限られた枠の中で、どの特徴を前に出し、どれを少し引くかを決めている。
この「足りない」問題は、見ていると少しもどかしい。でも、そのもどかしさが講座としては良かった。自由に描けるツールなら、足りない部分を足せば済む。トモコレではそうはいかないので、正解は「全部入れる」ではなく「入らないものをどう処理するか」になる。マリンが耳や二重のような要素を必要に応じて諦めるところまで見せていたから、完成形に納得しやすかった。
この判断が入ると、キャラクリの見方が変わる。完成したMiiを見て「似ている」「可愛い」と言うだけではなく、なぜそのパーツがそこに置かれているのかを考えたくなる。おかゆ先輩の例では、前髪を入れるための目の距離、鼻を置くための基準線、口を小さくすることで出る落ち着きが、ひとつの顔としてまとまっていた。
また、おかゆ先輩を最初に置いたことで、後に続くFUWAMOCOの説明も見やすくなっている。前髪の着地点、目の距離、鼻と口の基準という基本の見方が一度示されるので、もこちゃんやふわの時には「同じ基準をどう変えるか」に注目できる。序盤のおかゆパートは、単なる一人目の紹介ではなく、その後の比較を見るための物差しにもなっていた。
この物差しがあるから、配信は長くても散らばりにくい。おかゆの顔で見た「前髪を入れるために目を離す」という考え方は、もこちゃんの髪のカーブやふわのシルエット確認にもつながっていく。キャラごとに話題は変わるが、見ている場所は少しずつ連続している。その連続性があるので、細部の説明がただの小ネタにならなかった。
もこちゃんで見えた色数と基準点の考え方

20分台からのもこちゃんの説明では、さらに細かい制約の話が増える。口がかなり小さいのでMiiでも小さくしたこと、髪にもう少し白い色が欲しかったが選べる色の中では別の色にしたこと、眉毛はおっとりめ、目は水色で縦に大きくしつつ位置は低めにしたこと。ここでは、見た目を寄せるための要素と、ゲーム側で実現できる範囲との折り合いがずっと語られていた。
もこちゃんの顔で特に分かりやすいのは、目と口の比較だ。21分台には、目の間隔を一段階ずらした案をスクリーンショットで並べ、どちらが似ているかを確認している。さらに、口の位置を少し上げた版も試している。これは、配信を見ている側にも判断材料が残る見せ方だった。単に「こっちが似ている」と結論だけ言うのではなく、比べた跡を画面に置くので、視聴者も一緒に迷える。
ここで面白いのは、目の位置も口の位置も、表情が動くことを前提にしているところだ。静止した顔だけなら、多少極端な配置でも可愛く見える瞬間はある。けれどMiiは笑ったり驚いたりする。口が動いた時、目尻の線が伸びた時、髪がかかった時に不自然にならないかを考える必要がある。マリンが「これ以上短くならない」といったパーツ側の限界にも触れていたため、ゲーム内の仕様と相談しながら作っている感じが強かった。
スクリーンショットで比べる場面が良かったのは、判断の根拠が視聴者にも見えるからだ。配信者が手元で「こっちの方が似ている」と決めるだけなら、視聴者は結果を受け取るだけになる。並べて見せると、目が一段階離れるだけで顔全体の印象が変わること、口を少し上げるだけで表情の幼さや明るさが変わることが分かる。地味な比較だが、キャラクリ講座としてはかなり親切だった。
23分台以降は髪の作り方がかなり見応えのある説明になっていた。もこちゃんのくるんとした毛がどこへ着地するかを、眉毛の真上にある前髪の分け目や、インテーク部分との重なりから決めていく。感覚でカーブを描くのではなく、どの点へ向かって線を落とすかを先に決める。場所を決めておくと分かりやすい、という説明は、キャラクリに限らず絵を描く時の考え方としても素直に入ってくる。
色の扱いも細かい。24分台には、ピンク部分を先にピンクにしておくべきだったという反省が出ていた。25分台から26分台では、濃い影を線と同じ色で入れ、その次に薄い影を作る。ただし、髪色を増やしすぎると後ろ髪との差が強くなるので、ある程度はデフォルメして影を絞った方がいいという判断もしている。見た通りに要素を増やせば似る、という単純な話ではない。
この「増やしすぎない」判断が、もこちゃんの説明でいちばん大事かもしれない。元の印象を拾うために色を足す。でも、Miiとして表示された時に髪色が多すぎると、前髪だけが浮いたり、後ろ髪とのつながりが悪くなったりする。マリンは白いハイライトについても、元の印象では白に近いが、今回の髪色だと真っ白では浮くから少し外した色にしていると話していた。可愛さを守るために、あえて一段ずらす判断だ。
ここは、ファンアート的な再現とは少し違うところでもある。元の色に近づけることだけを目標にすると、使える色が足りない時に無理が出る。マリンは、色の正確さよりも、トモコレの画面上でまとまって見えるかを優先していた。髪色を暗めにしたならハイライトも少し落とす。影を増やしすぎると後ろ髪との差が出るなら、影の数を絞る。こういう調整があるから、完成したMiiが単なる色の寄せ集めに見えない。
26分台の説明では、自分で「失敗だった」と言いながら主線の色を細かく変えている場面もあった。作業の正解だけでなく、やりにくかった手順まで話してくれるので、配信としての手触りが残る。完成品だけ見れば分からない面倒さが、途中のコメントで伝わってくる。こうした小さな反省があると、キャラクリが急に身近な作業に見える。
27分台のまつ毛の移動も、今回の回らしさが出ていた。目尻に置いていたまつ毛が髪で隠れて見えなくなったため、寄せるために目の上へ移動したという説明がある。元の位置にこだわれば設定としては正しいのかもしれない。けれど、画面上で見えないなら意味が薄い。見える場所へ移して、Miiとして見た時の印象を優先する。この割り切りが、講座としてかなり分かりやすかった。
もこちゃんの章全体を通して、マリンは「どの線を再現するか」よりも「どの線が見えた時にそう感じるか」を見ていた。くるんとした髪の着地点、眉毛の上の分け目、色見本、影の数、ハイライトの明るさ、まつ毛の移動。どれも小さい話だが、積み重なると完成したMiiの説得力が変わる。配信で見ていると、可愛いMiiができるまでの途中経過が、だんだん設計図のように見えてくる。
このパートは、FUWAMOCOを知らない視聴者にも見やすい。二人の外見を細かく覚えていなくても、マリンが「ここは小さい」「ここは低め」「ここは髪で隠れる」と、見る場所を指定してくれるからだ。本人らしさを知っている人は細部の拾い方を楽しめるし、初見の人はキャラクリの考え方を追える。記事として振り返るなら、この二重の見やすさが大きな価値だった。
もこちゃんの説明は、特に「正確さ」と「画面映え」の間をどう取るかが見える。元の特徴をそのまま持ってくるのではなく、トモコレの顔として見えた時に一番効く形へ翻訳する。だから、目尻やまつ毛の位置を変える判断も、元の特徴を捨てたというより、見える場所へ置き直したと言った方が近い。ここを意識すると、完成したMiiの見方がかなり変わる。
ふわはコピーから始まり、最後は全部書き直す

29分台に入ると、ふわの説明に移る。ここでは、もこちゃんをコピーして始めたという話が最初に出る。FUWAMOCOは並べて見たい組み合わせなので、ベースをそろえる判断は自然だ。目はふわの方が少しおっとりしているように見える、まつ毛はもこちゃんより長めにしたい。そうした差分を先に言葉にしてから作業に入るので、似た二人をどう描き分けようとしているかが分かりやすい。
ただし、コピーで済むわけではなかった。前髪や横髪が全く違うので、結局は全部書き直すことになる。ここが今回のキャラクリの中でもかなり印象に残る。近いデザイン同士だから流用できそうに見えても、顔の印象を決める部分が違えば、コピーはあくまで比較用の土台にしかならない。マリンはその切り替えをかなり早く、しかも迷いを隠さずに見せていた。
30分台から31分台では、もこちゃんと色をそろえるために、耳や横の線をカラーパレットのように残しておく話が出る。後からスポイトで同じ色を取れるよう、左側に線を置いておく。これは地味だけれど、並べた時の統一感に効く作業だ。二人を姉妹として島に入れたいという冒頭の話を踏まえると、色のズレを避けるための準備にも意味がある。
同じ時間帯で、マリンはまずシルエットを取って、大きさがこのくらいでよいかをみんなと並べて確認していた。ここでも、顔だけを拡大して似せるのではなく、住民として並んだ時にどう見えるかを見ている。トモコレでは、キャラクター単体の完成度だけでなく、島の住民として画面に入った時の馴染み方も大事になる。ふわの作業は、その視点が特に分かりやすい。
コピーから始めること自体は、効率化としてはかなり合理的だ。似た要素があるなら、ゼロから描くより早い。ただ、今回の配信では、効率化がそのまま完成にはつながらないことも見えていた。コピーしたからこそ、どこが同じでどこが違うかがはっきりする。結果的に書き直すとしても、比較の出発点としてコピーが機能していた。
31分台後半から32分台には、コピーでつけた結果ほっぺの線が崩れ、地道に消して引き直す流れがあった。先に消しておけばよかった、という反省もそのまま話している。こうした小さな失敗を残しているので、配信はきれいなメイキング動画というより、実際の作業ログに近い。だからこそ、見ている側も「ここで崩れるのか」「だから先に整理するのか」と納得しやすい。
32分台の髪の影では、丸みをきれいにつなげたいという苦戦も見えていた。影の下のラインが丸くつながるようにしたい、と言いながら調整する場面は、完成後の一瞬だけでは気づきにくい部分だ。二頭身のMiiでは、髪の面積が大きい。そこで影の丸みが汚くなると、顔全体の印象も急に雑に見える。マリンがそこへ時間をかけたのは、かなり納得できる。
このあたりの説明は、配信のテンポだけを見ると細かすぎると感じる人もいるかもしれない。けれど、細かいからこそ「可愛い」の理由が分かる。髪の丸み、影の下線、はみ出しの消し方は、完成後に褒め言葉だけで片づけると見えなくなる部分だ。マリンはそこを飛ばさず、少し失敗したところも含めて見せる。見終わった後にMiiの顔を見ると、単に上手いというより、手数が見える。
33分台には、ふわの前髪の基準点も説明されていた。左目のまぶたにかからないくらいの位置から始め、少しずつ下げて、右のまつ毛にかかるかかからないかくらいへ着地させる。さらに、くるんとした下の毛を右側の髪の割れ目へ重ねるように置く。もこちゃんの時と同じく、カーブを雰囲気で描くのではなく、着地点を決めてから線を作っている。
34分台には、作業が4時間を超えて集中力が落ちていたという自分へのツッコミも入る。違うところに影を入れているが後で直す、と話していて、ここもマリンらしい。真剣に詰めているのに、作業の乱れを笑いに変える。そのおかげで、細かな調整の連続でも配信が重くならない。見ている側は、技術的な説明を聞きながらも、長時間作業のライブ感をそのまま楽しめる。
35分台から36分台では、影やハイライトを足し、後でコピーできるように離れた場所へパーツを書いて貼り付ける計画も見せていた。よく見ると違ったので直す、目をもう少し優しくしたかったがうまくできず諦める。こうした判断が重なるので、完成形は「完全再現」ではなく、ゲーム内で一番可愛く見える落としどころに近い。そこにこの回の実用的な面白さがある。
37分台でふわの作業が一区切りつくと、島の導線を直したり、次に誰を作るかを考えたりする話へ移る。ここまで見てから生活パートへ入ると、住民たちが画面を歩くだけでも見え方が変わる。顔の距離、髪の影、色見本、まつ毛の位置をあれだけ悩んでいたので、ただのMiiではなく、作業の結果として島に置かれた住民に見える。
そこから先の島パートは、キャラクリの緊張がほどけた後の時間として見られる。住民が動き、勝手に会話し、島の導線を直す必要が出てくる。冒頭で「キャラクリしかやる気ない」と笑っていた流れも含めて、準備の細かさとゲームの雑多な偶然が並ぶのがこのシリーズの味だ。作った顔が島の中でどう見えるかまで含めて、キャラクリの答え合わせになっている。
ふわの章で特に良かったのは、コピーを使うことが手抜きに見えない点だ。近い要素を借りることで、違う部分がむしろ浮かび上がる。そこから「結局全部書き直す」という判断へ行くので、流用と描き直しの境目が見える。効率を取りに行きながら、最後は見た目に合わせて戻る。この往復が、マリンの観察の細かさをいちばん素直に伝えていた。
作業の迷いまで見えるので、完成品だけを眺めるより記憶に残る。配信ならではの面白さもそこにある。
今回の配信を記事として振り返るなら、見どころは「作ったキャラが可愛い」だけでは足りない。可愛く見えるまでの判断が、かなり細かく言葉にされていたことが大きい。おかゆでは前髪と目の距離、もこちゃんでは色数と基準点、ふわではコピーから書き直しへ移る切り替え。それぞれで違う問題が出て、そのたびにマリンが別の見方で解いていた。
トモコレのキャラクリは、似せる対象を知っているほど細部に目が行く。ただ、今回の回は元ネタを細かく知らなくても面白い。どの特徴を残すと印象が立つのか、どこから先はゲーム内の可愛さを優先するのか、比べる材料をどう残すのか。キャラクリ講座として見ると、初見でも判断の流れを追いやすい。
長い4時間配信の中で、序盤のキャラクリ説明は小さなパートに見えるかもしれない。けれど、ここで見せた「まずシルエット」「次に基準点」「最後に動いた時の顔」という考え方は、以降の住民追加にもつながる。島の生活で偶然のドラマが起きる前に、住民の顔をここまで詰めている。その準備の濃さが、マリンのトモコレ配信をただのゲーム進行以上に見せていた。
次に同じシリーズを見る時は、誰が島に入るかだけでなく、作られたMiiがどの特徴を優先しているかを見てみたい。目の距離なのか、前髪の流れなのか、色のまとまりなのか、表情が動いた時の口なのか。今回の回は、その見方を先に教えてくれた。キャラクリの細部を配信の見せ場へ変えられるのは、マリンが迷い方まで言葉にしてくれるからだと思う。
短く要約すると、今回の配信は「おかゆとFUWAMOCOを作った回」ではなく、「制限のあるキャラクリで、どの特徴を残せば動いても可愛く見えるか」を見せた回だった。完成したMiiだけを見るより、途中の比較や直し方まで見た方がずっと面白い。トモコレの生活パートを楽しむ前に、その住民たちが画面へ出てくるまでの手間を味わえる、かなりマリンらしいキャラクリ講座だった。
V-BUZZ視点: キャラクリは、似せる技術より「動いた時」を見る
V-BUZZとしてこの回を見るなら、宝鐘マリンが誰を作ったかだけでなく、Miiが表情を変えた時にどう見えるかを考えていた点を残したい。おかゆ、FUWAMOCO、目の距離、前髪、鼻と口、髪色の制約は、静止画で似せるためだけでなく、二頭身キャラが動いた時の崩れ方を見て調整されている。
関連記事の2日目と比べると、初回の判断が後で効いていることが分かる。2日目では表情の引き算や恋愛相談、島づくりへ広がるが、その前に初回でキャラの基準点を詰めていた。キャラクリを丁寧に見るほど、後日の島内イベントがただの偶然ではなく、作ったMiiが動き出した結果として楽しめる。
この記事では、完成したMiiの可愛さだけでなく、なぜ配置を変えたのかを残した。視聴者として追うなら、完成品を見るより、マリンが迷いながら基準点を決める時間に独自の価値がある。
確認元の読み方
確認元は公式YouTubeアーカイブを中心にする。おかゆの前髪、もこちゃんの色数、ふわのコピーから書き直しへの流れは、画面の変化と発言を合わせて確認したい。キャラクリの見た目は主観が入りやすいため、本文では配信内で本人がどこを気にしたかを基準にしている。
公式YouTubeチャンネル、公式X、ホロライブ公式プロフィールは、宝鐘マリン本人の活動導線と所属確認のために使う。関連記事は初回の事実確認元ではなく、作ったMiiが次回以降の島でどう動いたかを比べる導線として置いている。
