逆立ちしたおじさんを、ただ上へ跳ばしていく。それだけのゲームなのに、兎鞠まりが2026年6月14日未明に配信した「【Handstand Hank】たまには苦行系のゲームもやりたいよね!逆立ちおじが征く―――【#とまライブ】」は、思ったより軽快な初見攻略回になった。YouTubeのメタデータではライブ開始が2026年6月13日21時00分08秒JST、終了が22時56分17秒JST。公開から24時間以内に確認できた新着だった。
配信タイプは「ゲーム配信」。『Handstand Hank』はSteamストアページで、ハンクという人物が逆立ちをしながら頂上へ跳ぶゲームとして紹介されている。配信概要欄にもSteamストアへの導線と同じ短い説明が置かれていた。Steam側では2025年6月20日リリース、更新作業時点では全68件中64件が好評で、評価表示はVery Positiveだった。開発はMichael Fischer、パブリッシャーはLoden Games。いわゆる高難度ジャンプゲームの系譜にある小規模インディー作品として見られる。
今回の配信でまず拾いたいのは、兎鞠まりがいきなりハードへ行かず、イージーから入った判断だ。冒頭2分台、難易度選択でノーマルが見当たらないことに触れ、ハードをいきなり選ぶとひどい目に遭いそうだと話してから、いったんイージーを選んでいる。苦行系ゲームを遊びたい気分はあるが、無理に最初から苦しみに行くのではなく、まずゲームの挙動を知る。この入り方が、後半のハード試走までの見やすさを作っていた。
本文で軸にするのは四つの流れだ。ひとつ目は、6分台に「空中制御はほぼできない」と理解し、弱ジャンプと最大ジャンプを分けて覚える場面。ふたつ目は、20分台から40分台にかけて、回転床、落ちる床、氷の滑りを一つずつ読み替え、失敗してもすぐ次の跳び方へ修正する場面。三つ目は、60分台以降の風ギミックで、煙や吹き方を見ながら「風を感じる」かどうかを判断し、視聴者コメントも補助線にして進む場面。四つ目は、80分台の落下物地帯を越えてイージーをクリアし、続けてハードモードでチェックポイントの少なさを確認する流れだ。
この回は、クリアできるかどうかだけを見ると少しもったいない。兎鞠まりはゲームを始めてすぐ「意外といける」と感じるが、雑に押し切るわけではない。空中で曲がれない、最大ジャンプでも届かない、滑る床ではその場ジャンプで止まれる、風は場所によって効いたり効かなかったりする。そうした小さな理解を、声に出しながら積み重ねていた。高難度アクションの配信として見るなら、叫びや落下だけでなく、身体に覚えさせていく過程が面白い。
概要欄には、兎鞠まりの公式チャンネル、公式X、Misskey、FANBOX、LINEスタンプなどの導線もまとまっている。ここではゲーム本編を中心に扱うが、公式YouTubeアーカイブと概要欄、Steamストアページ、本人の公式導線を出典として残す。読者はこの段落だけで、扱う動画とゲーム情報、公式導線の関係を切り分けられる。
Steamページの説明だけだと、逆立ちで跳ぶという奇抜さは伝わるが、配信中に何が難しく見えるかまでは分かりにくい。実際のアーカイブでは、ジャンプの強弱、足場の傾き、風の方向、落下物のタイミングが少しずつ増え、兎鞠まりがその都度「今は何を見ればいいか」を声に出している。そこを追うと、変なゲームを笑って終わるだけではなく、初見で仕組みを覚えていく配信として見やすくなる。
イージー選択から、跳び幅を体に入れていく序盤

配信の立ち上がりは、ゲーム画面やコメント欄の調整から始まる。冒頭1分台、兎鞠まりはゲーム内から聞こえるきしむような音を「おじさんの音」と説明し、自分が何かをこすっているわけではないと断っていた。ここは小さな前置きだが、このゲームが最初から変な音と変な姿勢で押してくることを、配信者側もすぐ笑いに変えている。
2分台に入ると、難易度選択でイージーとハードが見え、ノーマルがないことに反応する。ここでハードへ突っ込まず、「この手のゲームのハードはいきなりやると危ない」と見てイージーにするのが大事だった。苦行系ゲームを遊ぶ回ではあるが、視聴者にとっても最初から理不尽な落下を延々見るより、まず操作を覚える段階があった方が入りやすい。
5分台、実際に操作が始まると、兎鞠まりはすぐに「弱ジャンプ」と「大ジャンプ」の差を確認していく。単にジャンプボタンを押すだけではなく、どれくらい押すとどの高さになるのか、前へ入力しながら跳ばないと進まないのか、足場の間をどう抜けるのか。初見の数十秒で、細かく手触りを言葉にしていた。
6分台には、今回の回で最初に押さえたい操作の要点がある。字幕では、空中での入力がほぼ効かず、前を押しながらジャンプしないと進めない、空中制御はゼロに近い、という整理が出てくる。これは攻略情報としても、配信の見方としても大きい。ジャンプしてから曲げるゲームではなく、跳ぶ前に方向と強さを決めるゲームだと分かるからだ。
この理解があると、その後の失敗も見やすくなる。落ちた時に「今のは操作が悪かった」だけでなく、跳ぶ前の位置が悪かったのか、押しすぎたのか、弱すぎたのか、上の足場に頭をぶつけたのかを見分けられる。兎鞠まりも、最大ジャンプの距離を覚えようとしたり、ブロック1個分くらいしか飛ばないと驚いたりしている。高難度アクションの配信で、ここを口にしてくれるのはありがたい。
7分台にはチェックポイントの存在も確認する。イージーでは一定地点でセーブできるため、落ちてもすべてが最初からになるわけではない。兎鞠まりはそこを受けて、死んでもいいゲームならぬるい、と軽く言う。もちろん実際には後半で十分難しくなるが、この時点では「戻されてもやり直せる」という安心があるため、視聴者も操作の習得を一緒に見られる。
序盤で分かりやすいのは、9分台の最大ジャンプ確認だ。届くと思って跳んだ距離が届かず、ここからではブロック1個分くらいしか飛ばないと修正する。初見でアクションゲームを触る時、見た目では届きそうな足場が意外と届かないことがある。そのズレを、兎鞠まりはその場で測り直している。うまくいかない理由を「難しい」で終わらせず、距離の感覚へ戻しているのが見やすい。
この場面は、初見プレイヤーがつまずきやすい状況の例にもなる。画面上では足場と足場の間が短く見えても、実際には押し始める位置が数歩ずれるだけで届かない。反対に、最大ジャンプで飛べばよいと思っていると、上の足場や障害物に当たって戻される。兎鞠まりは「最大の距離を覚える」という方向へすぐ切り替えるため、視聴者も次の足場を距離の問題として見られるようになる。
10分台から15分台には、プランクや別ゲームの雑談も混ざる。けれど、雑談で操作の集中が完全に切れるわけではない。ジャンプの高さ、足場の端、障害物を越えられるかどうかはずっと確認している。ゲームだけを無言で詰める配信ではないが、話題が横へ行っても手元の判断が残る。この配信のリズムは、序盤からその形だった。
13分台には、障害物を飛び越えられるかどうかを試す場面もある。2個くらいまでなら越えられると見て、ぎりぎりで飛ぶなら行ける、横着は許されない、と確認する。これは高難度ジャンプゲームでよくある、見た目の余裕と実際の余裕が違う場面だ。安全に見える位置でも押しすぎるとぶつかり、届きそうでも少し足りない。そこを声にしながら進むので、初見でも何を見ればよいか分かる。
序盤全体を見ると、兎鞠まりは「ゲームが得意だから進める」のではなく、「失敗の原因を細かく分けるから進める」タイプの遊び方をしている。弱ジャンプ、最大ジャンプ、空中制御なし、チェックポイント、頭をぶつける位置。そういう情報が積み上がるため、次の難所に入った時も、単なる運任せには見えない。
この序盤は、視聴者が自分で同じゲームを触る時の入口にもなる。初見でいきなり高く飛ぼうとすると、画面上の足場だけを見てしまいがちだが、実際には「押す前の立ち位置」と「押している長さ」が結果を決めている。兎鞠まりはそこを何度も言葉にするため、アーカイブを見ている側も、次に同じ足場が来た時に、ただ成功を待つのではなく、どこから跳ぶのかを予想できる。これは単なる実況の賑やかさとは別の、ゲーム配信としての見やすさだった。
回転床と氷の足場、失敗を次の跳び方へ変える中盤

20分台に入ると、配信は少しずつ高難度アクションらしくなる。円盤の回転を計算に入れながら跳ぶ場面では、兎鞠まりが「ここむずい」と何度か足を止める。ここでは、単にジャンプ距離を覚えるだけでは足りない。足場の動き、円盤の角度、戻ってくるタイミングを見てから飛ぶ必要がある。
20分台の回転床では、ラピッドトリガーによる思わぬ入力ミスにも触れている。押したつもりのない動きが出ると、プレイヤー側は急に信用できるものを失う。高難度ゲームでは、敵や地形だけでなく、自分の入力機器や押し方も難所になる。ここで兎鞠まりが「もったいない」と反応するのは自然だった。
その一方で、雑談は広く続く。Overwatchのランクマッチ、別ゲームの市場アイテム、ゲーム内投資のような話題が、足場を跳びながら挟まる。普通なら集中を切りそうな話題だが、兎鞠まりは話しながらも、どこで飛ぶか、どの足場へ戻るかを見ている。視聴者側は、雑談だけを聞いてもよいし、操作の修正を追ってもよい。画面と会話の両方に入口がある。
29分台には、配信外の告知として「めっちゃカメレオン」を遊ぶ予定にも触れている。これは今回の攻略そのものの手がかりではないが、ゲーム配信の流れとしては大事だ。アクションの緊張が続く中で、別企画のメンバー話が入ることで、画面がきつい場面でも声の温度は軽くなる。配信者の活動導線とゲームの手元が同じ時間に並ぶのは、兎鞠まりの通常配信らしい。
30分台から35分台には、落ちてもすぐ復帰できる地形や、閉じられる後ろ側の道などが出てくる。兎鞠まりは「ここまで来たらめっちゃ落とされるみたいなのはない」と見て、少し余裕を持つ。だが、その余裕はすぐ次の床やギミックで試される。高難度ゲームは、安心した直後に足場が動く。この配信でも、その緩急がよく出ていた。
35分台から40分台の床ギミックは、見返す時に特に拾いやすい。床が落ちるのかと思えば落ちない。動く足場は時間で変わるのではなく、ジャンプすると位置が変わる。兎鞠まりはそこで、ジャンプ調整をして、左ルートか真ん中かを考える。見たままの挙動だと言いながらも、実際には一度観察してからルートを選び直していた。
ここで拾いたいのは、初見プレイヤーが「床の見た目」にだまされる場面だ。動く床があると、ついタイミングだけを見たくなる。しかし、このゲームではジャンプ自体が床の位置を変えるため、ただ待てばよいわけではない。兎鞠まりは一度しくみを理解すると、左、左、真ん中、奥というように、ルートを声にして組み直す。覚えゲーと反射神経の間にある難しさだ。
40分台には氷の足場が出てくる。ここでは、滑ること自体より「その場ジャンプで止まれる」と気づくのが重要だった。氷ステージは多くのゲームで操作感が変わるが、対処法を見つけると一気に怖さが減る。兎鞠まりはまず結構滑ると確認し、その場でジャンプすれば止まることを試し、以降は滑る距離を考える方向へ切り替えている。
氷の処理も、体験的な例として分かりやすい。滑る床に乗った瞬間は、プレイヤーが慌てて逆方向へ入力し、かえって足場の端へ流されることがある。兎鞠まりはそこで、むやみに入力を増やすより、その場ジャンプで勢いを切る方へ発想を変えた。対処が見つかると、同じ氷でも「怖い床」から「止まり方を知っている床」へ印象が変わる。ゲームの難所が、少しずつ扱えるものに変わっていく瞬間だった。
氷の場面で面白いのは、コインの意味が分からないまま進んでいるところだ。Steamページや概要欄の短い説明だけでは、金色のメダルやコインの役割までは分からない。兎鞠まりも「何一つ説明されてない」と言いながら拾ったり気にしたりしている。攻略上の意味が不明でも、目立つものがあれば触りたくなる。そういう初見プレイらしい寄り道が残っていた。
45分台から50分台にかけては、滑る床、落ちる床、足場の消え方が重なっていく。ここで兎鞠まりは、関係ないと言いながら関係ある障害物を受け止め、笑いながら再挑戦する。失敗した時に黙り込むのではなく、なぜ戻ったのか、どこで止まればよいかをすぐ言葉にするため、同じ場面のやり直しでも見やすい。
この中盤の価値は、派手なクリアではなく、失敗がすぐ小さな学習に変わるところにある。動く床はジャンプで位置が変わる。氷は滑るが、その場ジャンプで止まれる。落ちる床は急がなければならない。障害物は避けるだけでなく、どの順番で見るかが大事になる。こうした情報が、配信中に積み上がっていった。
また、中盤は雑談の量が増えても、ゲームの進行が置き去りにならない点も見ておきたい。別ゲームの話や告知が入ると、普通なら足場の記憶が飛びそうになる。けれど兎鞠まりは、雑談をしていても、戻ってくる時には「ここは左から」「ここはジャンプ調整」といった短い確認へ戻る。これは視聴者にとっても助かる。話題が横へ広がったあとでも、いまどの難所をどう越えようとしているのかを見失いにくいからだ。
風を読んで、落下物を避ける終盤の山場

55分台からは、暑そうなステージ、車のような障害物、風のある足場へと進んでいく。ここで兎鞠まりは、歩いた方が早いのか、ジャンプした方がよいのかをその場で切り替える。高難度ジャンプゲームでは、常に跳べばよいわけではない。歩く、止まる、跳ぶ、風に乗る。その判断が少しずつ増えていく。
60分台に入ると、風ギミックがはっきり見えてくる。字幕にも「風を感じる」「風を感じろ」という整理が何度も出る。黒い煙や吹き方を見ながら、どの足場では風が効き、どの足場では効かないのかを確認している。ここは、今回の配信で二つ目の大きな確認できる表現になる。画面の見た目と実際の移動がずれるため、風の有無を言葉で確認する必要があった。
風ギミックで面白いのは、兎鞠まりだけで完結しないところだ。70分台には、後ろに風があると視聴者コメントに気づかされ、「みんなすごい」と反応している。初見プレイでは、配信者が画面中央に集中している間、コメント欄が周辺のヒントを拾うことがある。もちろん指示コメントになりすぎると見づらいが、この場面では、見落としを補う程度のちょうどよい助けになっていた。
65分台から70分台の風読みは分かりやすい。黒い煙が強めなのか、ここは右へ流されるのか、最大ジャンプで届くのか、ギリギリから飛ぶべきなのか。兎鞠まりは何度も言い直しながら、風のある場所とない場所を分けていく。アクションゲームを見ている時、視聴者も「今のは腕前のミスなのか、風の影響なのか」を一緒に考えられる。
70分台に入ると、配信はさらに雑談を混ぜながら進む。新衣装で新しく見てくれる人が増えただろうに通常営業だ、という話や、ミスタードーナツで買ったものの話まで出てくる。だが、画面上では風と落下物が厳しくなっている。この温度差が兎鞠まりらしい。難所を難所として扱いつつ、配信全体を張り詰めさせすぎない。
75分台から80分台にかけては、風と落下物が重なる。タイヤのようなものが上から落ちてきたり、物同士がぶつかって軌道を変えたりするため、単純なパターン暗記だけでは対応しづらい。兎鞠まりは「真ん中キープ」と声に出し、飛ばされても中央へ戻ることを意識していた。ここは、終盤の山として見やすい。
この場面では、地面を見るか前を見るかという話も出る。コメント欄から、落下地点に影があるため地面を見ると事故を防げるかもしれない、というような補助があり、兎鞠まりは下を見ていると前を見られない、人間はどちらかしか見られない、と返している。ゲーム配信として手触りのあるやり取りだ。高難度アクションでは、どこを見るか自体が攻略になる。
ここは、視聴者が追体験しやすい三つ目の具体例でもある。落下物を避ける時、画面の上を見れば次に来るタイヤは早く分かるが、足元の影や着地点を見落としやすい。反対に、足元を見すぎると前方の危険に反応しづらい。配信内では、コメント欄の視点と兎鞠まりの操作視点がずれていて、そのずれ自体が攻略の話題になっていた。
82分台には、落ちてくる場所が同じなのか、ある程度ランダムなのかを考えている。ここで「ランダムなら行くしかない」と腹を決めるのもいい。完全に読めるなら待つ。読めないなら、ある程度の危険を受け入れて進む。ゲームの山場では、慎重さだけではなく、見切りをつけて飛ぶ瞬間が必要になる。
83分台から84分台、ようやくイージーのクリアへ届く。靴を履け、最初から歩け、というツッコミが出るあたり、最後までゲームのばかばかしさを忘れていない。逆立ちで跳び続けたおじさんが、最後に靴を得るように見える流れは、理屈としては変だが、配信の締めとしては分かりやすかった。
ここまでの約80分は、ただ長く苦しむ回ではなかった。序盤で跳び幅を覚え、中盤で足場の性質を読み、終盤で風と落下物を見て、最後にクリアへ届く。Steamの短い説明だけでは「逆立ちして上へ行くゲーム」としか言えないが、配信ではその単純さの中に、どこを見るか、どこで跳ぶか、どこで諦めずに戻るかが詰まっていた。
落下物地帯で特に良かったのは、慎重さだけでなく、諦めのタイミングも見えたところだ。完全に安全な周期を待てるなら待つが、タイヤの落ち方や風の押し方が読み切れない時は、ある程度の危険を受け入れて進むしかない。兎鞠まりはその判断を大げさな攻略解説にはせず、「行くしかない」という短い言葉で済ませる。だから、難所を越えた時も、綿密な攻略というより、瞬間の見切りが決まった気持ちよさが残った。
この終盤を先に見ると、画面は派手で分かりやすい。ただ、序盤から追うと、同じ落下物地帯でも印象が変わる。弱ジャンプと最大ジャンプ、風の有無、中央へ戻る意識を先に知っているため、最後の突破が偶然ではなく、これまで覚えた操作をまとめて使う場面として見える。約80分の配信尺が、単なる長さではなく段階的な練習の時間だったことも伝わる。
クリア後のハード試走で見えた、遊びやすい苦行系という感触

イージーをクリアした後、兎鞠まりは配信を閉じず、ハードモードも少し見る。83分台から84分台、デモ版であることや、セーブポイントがないらしいことに触れ、どれくらい落ちるのかを確かめ始める。この流れは見返す時の重要な点だ。イージーで終わっただけなら「クリアできた」で完結するが、ハードへ触れたことで、このゲームの難易度設計が少し見えてくる。
ハード試走でまず分かるのは、兎鞠まりが一度クリアしたルートをよく覚えていることだ。85分台以降、序盤の足場をするすると抜け、視聴者からRTAを見ている気分だという反応も出る。本人も、こういうゲームの学習能力は高いと話している。最初のイージーでは一つずつ確認していた場面が、2周目になると一段速くなる。この変化が、配信として気持ちよい。
ただし、ハードは単に同じ道を速く走るだけではない。チェックポイントがない、あるいは少ないことで、一度の失敗の重さが増す。92分台には、水へ落ちたら下まで戻されるのではないかと警戒しつつ、まだ生きている、まだハードモードは終わらない、と確認している。イージーでは戻れる安心があったが、ハードではその安心が薄くなる。
ここで拾いたいのは、同じ足場でも難易度が変わると視聴者の見方が変わることだ。イージーでは「落ちてもチェックポイントから戻れる」と思って見られた場面が、ハードでは「ここで落ちたらどこまで戻るのか」という緊張になる。操作そのものは覚えていても、失敗の重さが変わるだけで配信の見え方が変わる。
95分台から100分台には、リズムを声にしながら進む場面が増える。左右ジャンプ、くぐる、ジャンプ、ドンドン、といった短い言葉で、操作の順番を刻んでいく。これは、見ている側にも分かりやすい。高難度アクションでは、細かい技名より、今何を押しているかが声に出る方が状況をつかみやすい。
100分台には、チェックポイントが欲しいゲームだが、難易度を下げれば出てくる、なくてもサクサクではある、という整理も出る。ここが今回の配信の軽い留保としてちょうどよい。『Handstand Hank』は苦行系の顔をしているが、イージーならチェックポイントがあり、初見でも約80分でクリアできる。ハードはきつそうだが、少なくとも触ってみた感触では、完全に理不尽なだけのゲームではない。
ハード試走で印象に残るのは、リカバリーの見え方も変わる点だ。イージーでは一度落ちてもチェックポイントがあるため、失敗は次の試行へつながりやすい。ハードでは、水や下層へ落ちた時にどこまで戻されるかを毎回確かめる必要がある。92分台に「まだハードモードは終わらない」と確認する流れは、単に助かったという反応ではなく、この難易度がどこまで許してくれるのかを探る場面だった。
終盤のハード試走では、集中力が落ちてきたことも本人が認めている。101分台には集中力が切れている感じがあると言い、111分台には集中力が戻ってきているとも話す。長時間の高難度アクションでは、プレイヤーの疲れが操作に出る。配信として見ると、この疲れの自己申告があるため、ミスが単なる失敗ではなく、長く遊んだ後の状態として受け取れる。
112分台から113分台、最終的にはハードもほぼクリアできそうだが、集中力が落ちたので切り上げる流れになる。これは無理に完走を狙わない判断として納得しやすかった。イージーはすでにクリアしており、ハードも1時間くらいあればいけそうだと見えている。ここで長引かせず、Twitchへ移る告知をしてYouTube側を閉じる。配信の終わり方としても、だらだらしすぎていない。
この回を「苦行系ゲーム」としてだけ見ると、少し印象を間違えるかもしれない。確かに逆立ちおじさんの挙動は変で、風や落下物は意地悪で、ハードはチェックポイントなしに近い緊張がある。だが、イージーでは学習が効き、チェックポイントもあり、1回クリアした後の2周目は速くなる。苦しさより、学んだ分だけ速くなる感触が強かった。
だから、この回では「どれだけ難しかったか」より「どこで楽になったか」を多めに残した。弱ジャンプを覚える、氷の止まり方を覚える、風の有無を見分ける、落下物は中央を保ってやり過ごす。どれも一度分かると、次の周回で明らかに速くなる要素だ。イージーとハードを続けて見たことで、その差が同じ配信内に出ていた。
今回のV-BUZZ視点での整理は、兎鞠まりがどれだけ叫んだかより、どこでゲームの読み方を更新したかに置きたい。6分台の空中制御なし、35分台から40分台のジャンプで動く足場、60分台以降の風ギミック、80分台の落下物地帯、クリア後のハード試走。どれも、画面を見てから判断を変える場面だった。
アーカイブを見るなら、最初から全部追うのが一番楽しいが、短く確認するなら5分台から8分台、35分台から42分台、60分台から70分台、80分台から85分台を押さえると流れが分かりやすい。概要欄のSteamリンクでゲームの前提を確認し、そのうえで配信内の自動字幕や実際の操作を見ると、単なる高難度アクションではなく、初見の理解が進む配信として見られる。
時間が限られている読者には、まず5分台から8分台で操作の前提を見て、その後に40分台の氷、70分台の風、83分台のクリア直前へ飛ぶ見方も合う。序盤の跳び幅を知らないまま終盤だけを見ると、落下物地帯が運任せに見えやすい。先に「空中で曲がれない」「押す前に距離を決める」という前提を入れておくと、後半の危ないジャンプも、勢いだけではなく積み上げた判断の結果として受け取れる。
同じ高難度アクションでも、配信者によって見え方は大きく変わる。黙って集中する人なら、視聴者は操作精度や落下距離を見ることになる。兎鞠まりの場合は、跳ぶ前に何を見ているか、失敗したあと何を修正するか、コメント欄の指摘をどこまで受け取るかが声に出る。だから、ゲームが得意な人の一方的な攻略というより、画面を読む順番を一緒に確認する配信になっていた。
特に今回よかったのは、うまさを誇る場面と、雑に崩れる場面が同じ配信内にあることだ。序盤では「この手のゲームが得意」とうかがえるだけの飲み込みの早さがあり、ハード試走でも2周目の速さが見える。一方で、風の読み違いや集中力切れ、入力のズレで普通に戻される。うまいのに完璧ではない。そのくらいの揺れがあるから、苦行系ゲームの配信として緊張しすぎず、最後まで見やすかった。
もう一つ、配信後半の切り上げ方も印象に残る。ハードを続ければまだ進めそうではあるが、YouTube枠ではイージークリアと試走までで区切り、続きはTwitchへ案内する。ゲームの腕前を証明するために無理に長引かせるのではなく、視聴者が「今日はここまで見た」と受け取れるところで止めている。長時間化しやすいジャンプゲームでは、この区切りも見やすさの一部だった。
最後に残るのは、イージーを選んだことが弱さではなく、配信を見やすくする入口になっていたという印象だ。最初に操作を覚え、チェックポイントで戻り、終盤で山を越え、クリア後にハードの感触を確かめる。無理に最初から最高難度へ行かなくても、十分に苦行系ゲームの味は出る。むしろ今回の回は、遊びやすい難易度から始めたからこそ、兎鞠まりの修正の速さと、2周目での伸び方がはっきり見えた。
次に同じ系統のゲームを兎鞠まりが遊ぶなら、注目したいのは最初の数分だ。今回も、難易度選択、入力確認、チェックポイント確認の時点で、配信の見方がほぼ決まっていた。チェックポイントや風読みの話があるため、途中から見返す場合も場面を探しやすい。序盤で安全に触り、中盤で仕組みを覚え、終盤で少し無茶をする流れが見える。
