ホラーゲームを最後まで走り切れるか、本人が最初から少し疑っている。その不安があるからこそ、緋月ゆいの『いえのあじ | A taste of home』実況は、怖い場面だけでなく「今日は行けるかもしれない」と踏ん張る過程がよく見える回だった。2026年4月24日1時2分ごろに公開されたアーカイブで、約89分かけて複数のエンディングまで確認している。

概要欄ではゲームのSteamページが案内され、本人も冒頭で「めちゃ怖いらしい」と構えながらスタートする。ただ、いきなり叫び続けるのではなく、タイトルにかけて自分の家の味として卵焼きの話へ寄り道するのが緋月ゆいらしい。怖がる前に生活の話がひとつ入るので、視聴者も一緒に玄関へ入っていく感じがあった。

家のルールからじわじわ怖くなる

序盤でまず効いてくるのは、家に貼られたルールの異様さだ。「友達を作ってはいけない」「勝手に外に出てはいけない」「学校では一人でいなさい」といった内容を読みながら、緋月ゆいは小学校生活では無理があるとすぐに反応する。グループ活動や「2人組を作って」の場面を想像してつっこむので、ただ怖い家というより、日常の感覚とずれている怖さが伝わりやすい。

家の中の観察も細かい。扇風機とこたつが同時に出ている季節感のなさ、廊下やトイレの狭さ、盛り塩や知らない写真への違和感を拾いながら進む。字幕で確認できる範囲でも、トイレのドアが内側に開く不便さに早めに触れていて、ここが終盤で思わぬ意味を持つのが面白い。何気ない文句が、あとから回収される形になっていた。

友達の家で広がる「外の世界」

中盤は、主人公が友人のかずやの家へ向かう流れで、家の外と中の差がはっきりする。近所の人との会話、行方不明者の掲示、事故物件サイトのくだりが重なり、家庭内だけの問題ではなさそうだと少しずつ見えてくる。緋月ゆいは、かずやが何度も誘ってくれることに「いいやつ」と反応しつつ、断られ続けても誘う鈍感さも笑いにしていた。

かずやの家で出てくるミニゲームや事故物件サイトは、怖さの手前に小学生らしい好奇心があるのがよかった。怖いサイトを友達と見たくなる感じ、ネットの噂を信じるか迷う感じを挟むことで、後半の重さが急に落ちてこない。配信としても、ただ悲鳴を待つ時間ではなく、緋月ゆいが「この子は本当は遊びたいんだ」と主人公の立場を整理しながら進めるので、物語を追いやすい。

悲鳴と判断が同居した終盤

配信後半で家の秘密が一気に明かされると、緋月ゆいの反応も大きく揺れる。監視カメラ、大量の漂白剤、日記に残された記録を読みながら、誘拐や偽の母親、行方不明の子どもたちのつながりをその場で組み立てていく。怖がっているのに、読んだ情報を置き去りにしないのがこの回の強いところだった。

追跡場面では、序盤から気にしていた和式トイレのドアが隠れ場所として機能する。最初は「不便すぎる」と言っていた構造を使って逃げ切った瞬間、本人も「そのためのドアだったんだ」と笑いながら納得していた。ホラーの緊張が高い場面なのに、家の間取りをちゃんと見ていたことが生きるので、単なる偶然の突破に見えない。

分岐回収では、警察へ通報する選択、友人を助けに行く選択、さらに包丁を取って反撃する流れまで試している。かずやを救いに行きたい気持ちと、小学3年生なら警察に頼るべきではという迷いを口にする場面は、ゲームの選択を自分の判断として考えているのが分かる。結末はいずれも軽くはないが、エンディング2を見たあとに「君は美弥とは違う」と主人公へ言葉を向けるところで、怖さだけではない後味が残った。

久々のホラー完走として残るもの

終盤の振り返りでは、幽霊として現れた存在を単なる悪霊ではなく被害者として受け止めていた。怖いけれど、何が起きていたのかが分かると見え方が変わる。その整理を自分の言葉で置いてから、「久々のクリア」と拍手へつなげるので、怖がりながらも最後まで見届けた達成感がちゃんとある。

少し大きな悲鳴も含めて、緋月ゆいのホラー実況としてかなり分かりやすい回だった。概要欄の案内、冒頭の雑談、家の観察、分岐回収までそろっていて、初見でも流れをつかみやすい。重い話ではあるが、怖さに飲まれっぱなしにならず、最後に「クリアできた」と言えるところまで持っていったのがこの配信のいちばんいい余韻だった。