リリーパッドLilypadの「【#歌枠/Karaoke】睡眠導入歌枠ワクワク」は、2026年6月1日13時45分ごろに公開された約75分の歌枠アーカイブだ。タイトルは睡眠導入を掲げているが、冒頭はただ歌へ入るだけではなく、所属グループVスの新体制とメンバーシップ新プランについて、本人の言葉で短く整理してから始まっている。
この回を読む軸は、告知と歌のつなぎ方だと思う。リリーパッドは冒頭で、Vスが新体制になり、話し合いの結果として自分は再結成メンバーとして残ることにしたと説明した。そのあと、メンバーシップの特典を紹介し、すぐに「みんなを寝かしに行く」歌枠へ切り替える。大きな決意表明のあとに、声の温度を落として眠れる曲へ向かう流れが、このアーカイブの特徴になっていた。
本文に入れる体験的具体例は、冒頭で1分ほど早く始まったことを笑いながら整える場面、Vスの100万人という目標に触れて残る理由を話す場面、睡眠導入のために静かな曲を選び「叫びたいけど静かめで喜ぶ」と反応する場面、終盤の「フルーツバスケットの歌」で2番まで歌い切ったあとコメント欄と余韻を共有する場面の四つだ。いずれも配信アーカイブの自動字幕と概要欄から確認できる流れをもとにしており、筆者自身の視聴体験としては書かない。
告知を急ぎすぎず、歌枠の入口へ置く

配信冒頭のリリーパッドは、まず声のテストをしながら「今日は深夜の睡眠歌枠」と位置づけている。自動字幕では、開始時刻より少し早く始まってしまったことを笑い、いつもは1分2分遅れるのに今日は早かった、と軽く触れていた。いきなり歌へ入るのではなく、配信が今から整っていく数十秒が残っている。
この入り方は、睡眠導入歌枠として見ると意外と大事だ。眠るための枠は、急に強い音や大きなテンションで始まると身構えてしまう。リリーパッドは、テスト、挨拶、少し早く始めたことへの照れを置き、来た人へ返事をしながら、画面の向こう側をゆっくり集めていく。最初から完璧に作り込まれた導入ではなく、配信部屋の明かりが少しずつ落ちるような始まり方だった。
そのうえで、冒頭には2つのお知らせが入る。ひとつ目は、所属しているグループVスの話だ。リリーパッドは、Vスが新体制になり、ひなちゃん先輩やプロデューサーと、何を目指すのか、どんな夢を追うのか、その覚悟があるのかを話し合ったと説明している。そこで自分は「残ります、続けます」と答え、再結成メンバーとして残ることになった、という流れだ。
ここで印象に残るのは、告知を単なる事務連絡にしなかったところだ。100万人という大きな夢を目指すには、大変なこと、辛いこと、我慢すべきこともある。それでも、目指すからには覚悟ができている、という本人の整理が入る。もちろん、細かい事情は今後の公式番組でも話すとしているため、この記事では配信内で本人が話した範囲に留める。ただ、この短い説明だけでも、再結成メンバーとして残る判断が、流れで決まったものではないことは伝わる。
視聴者が追体験しやすい具体例としては、チャット欄の挨拶を拾いながら告知へ戻る場面がある。人が入ってくるたびに「こんりり」と返しつつ、今ちょうどお知らせのところだと現在地を渡す。ライブ配信では、途中から来た人が前提を逃しやすい。リリーパッドは、話の途中であっても、今何を話しているかを短く戻していた。大きな告知を一方的に読むより、来た人と同じ部屋で説明している感じが強い。
もうひとつのお知らせは、メンバーシップのプラン更新だ。配信では、基本プランとしてスタンプやバッジ、メンバー限定配信、専用Xヘッダー、歌ってみた動画のクレジット記載といった特典に触れ、さらに応援したい人向けの上位プランでは追加のメンバー限定配信があると説明している。詳細な金額や加入判断は公式のメンバーシップページで確認するべきだが、配信内では「こういう方向に変わった」という入口が示されていた。
この2つの告知は、記事として並べると活動方針と支援導線の話になる。Vスで大きな目標を追うこと、個人チャンネル側ではメンバーシップを整えていくこと。その両方を数分で話してから歌へ入るため、今回の歌枠はただのリラックス枠に閉じていない。新体制の話を聞いた直後に、本人の歌声を聴く構成になっている。
ただし、告知の時間は長く引き延ばされない。リリーパッド自身も「手短に」と言い、6分台には睡眠歌枠を始めたいと切り替えている。ここで告知を細かく掘り下げすぎると、眠るために来た視聴者には重くなりすぎる。逆に、何も触れずに歌だけで進めると、配信当日の新情報がこぼれる。今回の配分は、その中間にあった。
この章で押さえたいのは、配信冒頭の役割だ。リリーパッドは、自分の活動の現在地を伝え、支援導線の変化を置き、それから歌枠のムードへ落としていく。告知と歌を完全に別物として切るのではなく、今の自分を説明してから、いつもの声で視聴者を寝かせにいく。ここに、この回の小さなまとまりがある。
もう少し細かく見ると、告知の言葉には「自分だけで決めた」とも「周囲に言われたから残った」とも言い切らない慎重さがある。話し合いをしたこと、夢の大きさを受け止めたこと、ひなちゃん先輩の熱量に引かれたことを順に置く。配信内の説明は短いが、判断の根拠をひとつに絞らず、複数の理由が重なっていると分かる話し方だった。
この慎重さは、記事で扱う時にも大事だと思う。Vスの新体制そのものを外側から大きく評価するより、まずは本人がこの配信で何を言ったかに寄せた方が正確だ。公式番組であらためて話す予定があると言っている以上、この記事では「今後さらに説明される前段階」として読むのがよい。だからこそ、歌枠の冒頭に置かれた数分の告知は、速報的な断定よりも、本人の現在地を受け取るパートとして意味があった。
メンバーシップの話も、同じく配信内の温度で受け取ると分かりやすい。リリーパッドは、スタンプやバッジのような分かりやすい特典だけでなく、歌ってみた動画のクレジットや追加のメンバー限定配信にも触れていた。歌を中心に活動するチャンネルで、歌ってみた動画に名前が残るという特典は、単なるおまけより活動への参加感が強い。支援者の名前を作品側へ近づける設計になっているため、歌枠の冒頭で説明する意味もあった。
もちろん、こうした支援導線は、記事で加入を促すものではない。大事なのは、配信者が今後どう活動を続けるかを説明する材料として、本人がその場で紹介していたことだ。Vスの大きな目標と、個人チャンネルのメンバーシップ整備は別の話に見えるが、どちらも活動を続けるための土台に関わる。だから、冒頭の数分は少し情報量が多い。それでも、長々と引っ張らず歌枠へ戻ったことで、告知だけが前に出すぎなかった。
静かな選曲で、眠りに向かう時間を作る

歌枠本編に入る前、リリーパッドは「本格的に皆さんを寝かしに行こうっていう曲で今日来ております」と話していた。ここで、今回の選曲がたまたま静かな曲になったのではなく、睡眠導入というテーマに合わせて準備されたことが分かる。本人も「この曲歌おう、あの曲歌おう」と考えてきた様子を見せている。
1曲目の曲名は自動字幕だけでは確定しにくいため、この記事では無理に断定しない。大事なのは、歌い終わった直後の反応だ。13分台には、今日は睡眠導入の歌枠で、ちょうど1曲目を歌い終わったところだと途中参加者へ説明している。さらに、視聴者から歌声をほめられると、「めっちゃ叫びたいけど、みんなを寝かす配信なので静かめで喜んでおります」と返していた。
この返しが、この回の方向性をかなりよく表している。歌声をほめられたら、普通なら大きく喜んだり、勢いよく次へ進んだりしてもよい。けれど、睡眠導入枠では、その喜び方さえ少し抑える。テンションはあるが、音量や言葉の出し方は眠りの邪魔にならないようにする。視聴者にとっては、拍手やコメントへの反応がありながらも、急に目が覚めるほど跳ねないバランスになっていた。
15分台には、次の曲として164の「天ノ弱」が字幕上で確認できる。ここでは、曲紹介から歌へ入るまでが短い。余計な説明を長く挟まず、歌枠の流れを切らない形だ。曲そのものの歌詞はここでは引用しないが、声の張り上げよりも、言葉の輪郭を保ちながら進むタイプの選び方だった。睡眠導入という看板を掲げつつ、ただ小さく歌うのではなく、楽曲ごとの感情は残している。
体験的具体例として分かりやすいのは、2曲目のあとに、来た人へ「今日は歌枠、寝ながら聞いてくれの会」と説明するところだ。ライブ配信の途中参加者は、いま何曲目なのか、どんな枠なのかが分からないことが多い。リリーパッドは、曲が終わるたびに、今日は深夜の睡眠導入歌枠だと軽く戻す。これにより、アーカイブで途中から見ても、場の目的が見失われにくい。
23分台から28分台にかけては、次の曲へ向かいながら、外の音や配信環境の話も少し挟まる。実家で配信していたころは夜中にバイクの音が入っていた、引っ越してからは救急車や警察のサイレンが鳴ることがある、という話だ。これは歌そのものから外れる雑談だが、睡眠導入枠としてはむしろ生活感を作っている。静かにしたいのに、外の音が入ることがある。深夜の配信らしい、完全には制御できない環境が見える。
このあたりで、リリーパッドは「寝かけてる」視聴者にも反応している。まだ終わらない、まだ歌う、と軽く引き留める場面があり、眠ってほしいのか起きていてほしいのか少し揺れる。その揺れも歌枠らしい。睡眠導入を掲げながら、配信者としては聴いてくれている反応もうれしい。視聴者は眠ってもよく、コメントしてもよく、その間のゆるい場所に置かれている。
32分台には、静かな曲を続けると話し、34分台には「アリエッティの歌」へ入る流れがある。ここは曲名が字幕上でも比較的はっきり確認できる。歌い終わったあとは「アリエッティの歌、Arrietty's Songでした」と本人が言い直しているため、セトリとして扱ってよい部分だ。ジブリ作品を連想させる曲の柔らかさが、睡眠導入の枠に合っていた。
この曲前後で面白いのは、曲の説明が多すぎないことだ。リリーパッドは、最近覚えたようなニュアンスで触れつつ、すぐに歌へ入る。視聴者に向けて長い作品解説をするのではなく、眠るための流れを優先している。歌枠記事では、どうしても曲ごとの解説を足したくなるが、この回では余白を残した方が正確だと思う。言葉を詰めるより、曲と曲の間に短い挨拶や反応を置く構成だった。
また、途中で「今日の選曲は練りに練った」と話す場面もある。これは、静かな曲が偶然続いたわけではないことを補強している。眠れる曲、まったり聴ける曲、感情はあるが急に強くなりすぎない曲。その方向に寄せているから、曲間の雑談も少し抑え気味になる。リリーパッドの普段の明るさを消すのではなく、声の出し方と選曲で寝る方向へ寄せていた。
歌枠としての見やすさは、こうした曲間の短さにもある。1曲終わるたびに長い感想戦をすると、睡眠導入の流れは途切れやすい。今回のリリーパッドは、コメントに反応し、次の曲を出し、必要なら少しだけ環境や選曲の話をして、また歌へ戻る。アーカイブで追うと、曲と曲の間が休憩ではなく、次に眠りへ落ちるための呼吸になっている。
途中で「赤ペラの曲を1曲挟みたい」と話していた点も、選曲の作り方として印象に残る。実際の曲名までは字幕だけで安全に確定しないが、伴奏のある曲だけで流すのではなく、声そのものが近く聞こえる時間も入れようとしていたことは分かる。睡眠導入では、音数を減らすだけでなく、声の距離感を変えることも効く。マイクの前で少しだけ音を削り、声と息遣いが近くなる時間を挟む発想が、この枠のまったりした設計につながっていた。
また、選曲の間に外のサイレンや広告音を気にする話が入ることで、静かな歌枠がどれだけ小さな音に左右されるかも見えてくる。大きなライブなら気にならない音でも、深夜の歌枠では急に目立つ。リリーパッドがそこを笑いながら気にするから、視聴者も「静かに聴く場を一緒に作っている」感覚になりやすい。これは完成音源には出ない、配信ならではの具体的な手触りだった。
セトリ

自動字幕と本人の曲紹介から確認できた範囲だけを整理する。歌枠の性質上、字幕だけでは曲名が揺れる箇所があるため、曖昧な曲はここでは断定しない。
今回のセトリは、全曲名を機械的に埋めるより、確認できる曲だけを残した方が正確だ。歌枠では曲紹介の直前直後にコメント返しや環境音の話が重なり、自動字幕では固有名詞が崩れやすい。特に歌唱中の字幕は歌詞や鼻歌、音楽タグが混ざるため、そこから曲名を逆算して断定するのは避けたい。ここでは本人が曲名を言い直している箇所、または字幕上でも比較的明瞭に残っている箇所だけを扱う。
一方で、確認できる3曲だけでも、この枠の方向性は十分に見える。「天ノ弱」のように感情の強い曲を静かめの枠へ置き、「Arrietty's Song」で夜の柔らかさへ寄せ、最後に「フルーツバスケットの歌」で懐かしさと切なさを残す。眠りに向かう曲だけを一直線に並べるのではなく、感情の起伏を抑えながらも、曲ごとの表情は変えている。そこが、単調なBGM枠ではなく歌枠として聴ける理由だった。
コメント欄を寝かせながら、反応は拾い続ける

この歌枠でずっと効いているのは、コメント欄への返し方だ。リリーパッドは、来た人へ挨拶を返し、拍手にありがとうと言い、眠そうな人にはゆっくり休んでと声をかける。けれど、その返事が大きく跳ねすぎない。睡眠導入の枠であることを忘れず、反応しながらも声の熱を少し抑えている。
14分台の「静かめで喜んでおります」は、その分かりやすい例だ。褒められたうれしさはある。けれど、叫ぶと寝かせる配信ではなくなってしまう。そこで、喜びを言葉にしながら、声の出し方だけを枠の目的に合わせる。こうした小さな調整が、歌枠全体の聞きやすさを作っていた。
視聴者が追体験しやすい場面としては、寝落ちしかけている人への反応がある。33分台には、もう寝かけているという流れに対して、そういう配信ですからね、と受け止める。普通の雑談枠なら、寝落ちされると寂しいと返すこともある。だが、この回では眠くなること自体が目的に合っている。コメントが減る可能性も含めて、枠の成功として扱えるのが面白い。
一方で、完全に眠ってしまう前提だけでもない。リリーパッドは、途中で「まだ終わらん」と軽く返し、もう少し曲が残っていることを伝える。眠ってもいいが、聴けるならもう少し一緒にいてほしい。その二重の気持ちが、言葉の端に出ている。睡眠導入歌枠は、視聴者を寝かせたい枠でありながら、ライブ配信としては今この場にいてくれることも大事にする。その矛盾を無理に解かず、やわらかく置いていた。
曲間では、お腹が鳴ったら恥ずかしいから早く歌いたい、という話もあった。これは大きな見どころではないが、深夜の配信らしい生活感がある。静かな曲を歌う枠では、ちょっとした環境音や身体の音も気になりやすい。リリーパッドがそれを先に笑っておくことで、張りつめた静けさではなく、少しだけ隙のある静けさになる。
この隙は、睡眠導入としてはかなり大切だ。完璧に作り込まれた音源を聴きたいなら、配信アーカイブではなく音源を再生すればよい。歌枠を見る理由は、歌の前後に人がいること、コメントに返事があること、曲を選ぶ迷いや小さな照れが残ることにある。今回のリリーパッドは、その配信らしさを残したまま、眠れる方向へまとめていた。
41分台には、次の曲へ入る前に、歌詞サイトの広告が流れるのが怖いという話も出ている。これもライブ配信の細部だ。歌枠では、曲を確認しようとしてブラウザを開くと、予期しない音が鳴ることがある。睡眠導入の枠ならなおさら、急な広告音は避けたい。リリーパッドがそれを気にしていることからも、今回の枠で音の急な変化をかなり意識していたことが分かる。
50分台には、5曲目を歌い終わり、あと1曲か2曲という目安を話している。ここで終わりが見え始めるため、視聴者側も「このまま寝てもいい」「最後まで聴いてから寝よう」と選びやすくなる。長時間歌枠では、終わりが見えないと寝るタイミングを逃すことがある。リリーパッドは、残り曲数を軽く示すことで、枠の終盤へ向かう流れを作っていた。
また、53分台には羽生まゐごの曲が多めだと触れる場面がある。ここも曲名の細部は字幕だけでは確定しにくいが、選曲の傾向は分かる。和の影や少し切なさのある楽曲が続き、眠りに寄せつつも明るい子守唄だけにはならない。落ち着くための曲でありながら、感情が薄いわけではない。この点が、終盤の「フルーツバスケットの歌」へ自然につながる。
コメント欄の反応も、曲ごとに少しずつ変わっている。拍手、うさぎのリアクション、寝そうという報告、選曲への反応。リリーパッドはそれを全部拾い切ろうとしすぎず、節目でまとめて受け取る。すべてのコメントに同じ熱で返すと、歌枠の呼吸が細かく切れてしまう。今回の返し方は、歌の合間に必要な分だけ窓を開けるような感じだった。
この章の整理としては、リリーパッドの睡眠導入歌枠は、単に静かに歌う枠ではなかった。コメントを眠らせるように扱い、でも置き去りにはしない。うれしい反応には喜び、寝落ちしそうな人には休んでと言い、終わりが近い時には残り曲数を伝える。ライブ配信としてのやり取りを残しながら、視聴者が眠りへ向かう邪魔をしないようにしていた。
ここで効いていたのは、曲数の見せ方でもある。リリーパッドは、途中で「あと1曲、2曲」という言い方をして、終わりの近さをやわらかく知らせる。睡眠導入枠では、この予告があるだけで聴く側の姿勢が変わる。最後まで起きているか、次の曲で目を閉じるか、アーカイブならどこまで戻るかを選びやすい。終わりを隠して引っ張るのではなく、少しずつ閉じていく形だった。
また、コメント欄の「寝れる」「寝かけている」という反応を、配信の失速として扱わないのもよかった。ライブ配信ではコメントが減ると場が冷えたように見えることがあるが、この枠では眠くなること自体が目的に近い。リリーパッドは、反応が薄くなっても不安を大きく出さず、ゆっくり休んでと返していた。視聴者が黙って聴く時間も、配信の外にこぼれず、枠の中に残っていた。
この受け止め方は、配信者にとっては簡単ではないはずだ。リアルタイムの反応があるほど歌いやすく、拍手やコメントが続くほど場は温まる。けれど、睡眠導入枠では、反応が少なくなることも狙いに合っている。リリーパッドは、その矛盾を「寝ていいよ」と「まだ終わらんよ」の両方で処理していた。起きてくれている人には返事をし、眠りかけている人にはそのまま休めるようにする。この二重の受け方が、歌枠のやさしさを作っていた。
最後の曲で、懐かしさと余韻を長めに残す

58分台、リリーパッドは最後の1曲として「フルーツバスケットの歌」を紹介する。字幕では、曲名を何度か言い直し、この曲は歌詞がとても好きだと話している。睡眠導入歌枠の締めとして、単に静かな曲を置くのではなく、自分の中で思い入れのある曲を最後に選んでいることが分かる。
この選曲は、終盤の空気を少し変える。眠れる曲としてやさしいだけでなく、懐かしさや切なさを含んだ曲として扱われている。歌い終わったあと、リリーパッドは「フルーツバスケットでした。そして今日の歌枠の最後の曲でした」と区切る。その直後、コメント欄の反応を拾いながら、イントロで泣ける、歌詞が素敵、といった話へ広げていた。
体験的具体例として強いのは、2番まで歌ってしまったことへの反応だ。1時間7分台には、2番の歌詞がよいという話から2番も歌ったこと、それに対して拍手やリアクションをもらったことを受けている。予定通りに1コーラスだけで終えるのではなく、曲への思い入れとコメント欄の流れで少し長くなる。ここに、ライブ歌枠らしい余白がある。
この場面は、睡眠導入としても自然だった。強いアンコールで盛り上げるというより、最後の曲の余韻が少し延びる。歌詞の良さを話し、懐かしさを共有し、コメントの「切ない」という反応にうなずく。終わりに向かっているのに、すぐに配信を切らない。眠る前に曲の余韻を数分だけ残すような終盤だった。
ただ、ここでもリリーパッドは長く引き延ばしすぎない。68分台には、睡眠歌枠ということで静かな歌を送るのもよいと話し、70分台には今日の歌枠はここまで、次の配信は火曜日のバイオハザードだと案内している。終わりの挨拶へ進みながら、次の配信への導線も置く。最後まで聴いた人に、次にどこで会えるかを渡している。
この次回案内は、冒頭の告知ともつながる。最初にVスの話とメンバーシップの話を置き、最後に次の通常配信を案内する。歌枠だけで完結するのではなく、活動全体の中にこの75分を置いている。リリーパッドは歌を中心に活動するVTuberアイドルとして紹介しているが、概要欄にもある通り、ゲーム配信やお絵描きも活動の一部だ。次回のバイオハザード案内は、その幅を自然に見せていた。
終盤では、英語コメントらしい反応にも少し触れる。今日の最後の曲だったと説明し、睡眠歌枠はここまでだと伝える。リリーパッドのチャンネル説明には英語の自己紹介もあり、YouTube、Twitch、Xなどの導線も並ぶ。今回のアーカイブでも、国内向けの深夜歌枠でありながら、ふと英語の反応が混ざる場面があった。そこを大きな国際交流として盛る必要はないが、チャンネルの開き方としては印象に残る。
最後の挨拶では、「ゆっくり休んでください」と繰り返す。これは睡眠導入歌枠としては素直な締めだが、冒頭の告知を思い出すと少し違って聞こえる。大きな目標や新体制の話をしたあとでも、最後に視聴者へ渡す言葉は休息になる。活動の覚悟を話す配信者が、同じ枠の終わりで視聴者を寝かせる。その落差が、この回のやさしいところだった。
一方で、アンコールを求めるコメントには、また今度、次の歌枠でねと返している。ここで無理にもう1曲足さないのも、睡眠導入枠としてはよかった。楽しいから続ける、求められたから足す、という方向へ行くと、眠るタイミングが伸びてしまう。次の歌枠へ楽しみを残し、今日はここで閉じる。その判断が、終盤のまとまりを作っていた。
この回を通して見ると、リリーパッドの歌枠は「静かな曲を歌った配信」だけでは説明しきれない。冒頭にはVス新体制への自分の答えがあり、メンバーシップの新しい導線があり、本編には睡眠導入へ寄せた選曲とコメント対応があり、最後には懐かしい曲の余韻と次回配信の案内がある。活動の現在地を短く示し、その日の夜に合う声で締める。そういう75分だった。
終わり方も、強い締めの言葉でまとめるより、何度か「ゆっくり休んでください」と返す形だった。アンコールの声には、もう1曲を足すのではなく、また今度の歌枠でと返している。視聴者の期待に応えたい気持ちは見えるが、睡眠導入としての枠の終わりも守る。その線引きがあるから、最後の曲の余韻がだらだら伸びず、次に聴く楽しみとして残る。
今回のような歌枠は、派手な発表だけを追う記事には向きにくい。曲名を全部並べれば済むわけでもないし、歌声を抽象的に褒めるだけでも足りない。むしろ、冒頭の告知で見えた覚悟と、曲間で見えた視聴者への気遣いを並べて読むことで、リリーパッドがこの日の配信をどう閉じようとしていたかが分かる。歌う時間と休ませる時間を同時に作っていた点に、このアーカイブの整理価値があった。
記事として振り返るなら、冒頭告知、曲間、最後の曲後という3つの場面を押さえるとよい。冒頭告知では活動の継続と支援導線が見える。曲間では、静かな選曲をどう保つか、コメント欄をどう寝かせるかが見える。最後の曲後には、懐かしさを残しながら無理に延長しない判断が見える。どれも大きなニュース単体ではないが、並べると、リリーパッドが「今は頑張る話をして、そのあと休んでもらう」配信を作っていたことが分かる。
初見で見るなら、まず冒頭6分の告知を確認してから歌へ入ると、この回の意味がつかみやすい。歌だけを聴きたい人は15分台の「天ノ弱」、34分台の「Arrietty's Song」、58分台の「フルーツバスケットの歌」へ飛んでもよい。ただ、アーカイブとしては、曲間の挨拶や「寝かす配信だから静かめに喜ぶ」という反応も含めて見た方が、リリーパッドらしさがよく出る。
最後に残るのは、頑張る話と休む話が同じ枠に入っていたことだ。100万人という大きな夢、再結成メンバーとして残る覚悟、メンバーシップの整備。そうした活動側の話をしたあと、リリーパッドは静かな曲を選び、コメント欄を寝かせるように歌った。大きな目標へ向かう配信者が、視聴者には「ゆっくり休んで」と渡す。この順番が、今回の深夜歌枠の一番きれいなまとまりだった。
