不破湊が2026年2月16日に公開した「イイじゃん / 不破湊×葛葉×ローレン・イロアス×小柳ロウ×榊ネス Cover」は、M!LKの楽曲を5人でカバーした約3分26秒の動画だ。名前の並びだけでもかなり強いが、実際に見てみると豪華さより先に、パートごとの切り替えのうまさが耳に残る。短い尺の中で次々と主役が入れ替わるので、最後まで勢いが落ちにくい。
概要欄では、本家をM!LK、絵をKINO、動画を有栖 永真、Mix&instを快晴Pが担当すると案内している。歌唱メンバーの多さで押し切る作りではなく、声のキャラと映像のテンポをそろえながら見せ場を回していくので、コラボ曲として輪郭を追いやすい。5人の声色が違うからこそ、誰のパートに入ったのかが耳だけでも分かりやすく、にぎやかなのに散らからないのが特徴だった。
5人の声色が切り替わるたびに流れが変わる
このカバーのいちばんの強みは、5人が同じ方向に寄せすぎていないことだ。不破湊の軽さ、葛葉の輪郭の強さ、ローレン・イロアスの抜け、小柳ロウの勢い、榊ネスの存在感がそれぞれ残っていて、ユニゾンでも声の並びが埋もれにくい。誰か一人の見せ場だけで終わらず、曲の中でちゃんと役割が回っていく。
そのおかげで、人数の多いコラボにありがちな「賑やかだけど印象が散る」感じが薄い。1パートごとに空気が切り替わるのに、サビへ向かう流れはきちんと一本につながっていて、初見でも追いやすい。5人の名前で惹かれて見に来た人が、そのまま曲の気持ちよさまで持っていかれるタイプの動画だ。ユニゾンでは厚み、ソロでは個別の色が出るので、メンバーの組み合わせ自体がちゃんと音の見どころになっていた。
掛け合いのテンポがMVの見やすさにつながる
MVとして見ると、歌唱の派手さだけに寄らず、映像側もテンポよく見せ場を切り替えていく。カットの切り替えとパートの受け渡しが噛み合っているので、短い尺でも間延びしない。コラボ曲らしいにぎやかさを保ちながら、視線の置き場所が迷いにくいのがいい。
概要欄にクレジットされたKINOのイラスト、有栖 永真の動画、快晴PのMix&instが、それぞれ別方向に主張するのではなく、歌の押し出しを素直に支えている印象だ。音と画の情報量は多いのに、見終わったあとに残るのは「忙しさ」より「ノリの良さ」で、ここがこの動画の気持ちよさになっている。カットが切り替わるたびに声の主役も自然に移るので、MV と歌唱がきれいに噛み合っていた。
不破湊の歌ってみた入口としても渡しやすい
この動画は、5人の組み合わせに惹かれた人へ向けたコラボ企画として整理しやすいだけでなく、不破湊の歌ってみたを後追いする入口としても使いやすい。本人の軽やかな押し出しが前に出つつ、相手の声を消さずに並べるバランスが分かるからだ。普段の配信から入った人でも、そのまま音楽側の魅力に入りやすい。
『イイじゃん』という曲のポップさと、5人それぞれの押し出しがうまく噛み合っているので、気軽に1本見たい時にも渡しやすい。歌ってみたとしても、にじさんじの大型コラボとしても、見どころが最初の数十秒で伝わる。公開から少し時間が経ってから追う人にも薦めやすい一本だった。人数が多いコラボで「誰が主役かぼやける」感じがないので、後追いでもかなり入りやすい。
