加賀美ハヤトのチャンネルで2025年11月19日に公開された、葛葉との『夢幻』カバーは、2人の声質の違いがそのまま魅力になっているコラボ動画だ。公式タイトルは「夢幻 / MY FIRST STORY × HYDE【加賀美ハヤト × 葛葉 Cover】」で、名前の強さで押し切るというより、歌い分けと重なりの気持ちよさでしっかり聴かせるタイプの一本になっている。

動画概要欄では、原曲がMY FIRST STORY × HYDEによる楽曲であることに加え、VoRec、VoEdit、VoMix、Mastering、Illustration、Movieの担当も案内されている。熱量の高い曲なのに、勢いだけで前へ出る感じがなく、2人の声の輪郭がちゃんと残る仕上がりなのがまず気持ちいい。

『夢幻』らしい熱さを押しつけずに聴かせる

まず印象に残るのは、葛葉の少し影を帯びた質感と、加賀美ハヤトのまっすぐ抜ける声が、力比べではなく押し引きとして効いているところだ。序盤から全開で押し込むのではなく、それぞれの声色の違いを見せながら温度を上げていくので、楽曲のスケール感が崩れにくい。

サビに入ってからも、2人の声の輪郭がつぶれないのがいい。加賀美ハヤトが前へ押し出す場面でも、葛葉の声がうしろで影のように残ることで厚みが出るし、逆に葛葉が前に立つ場面では加賀美ハヤトの安定感が曲を支える。熱い曲を歌っているのに耳あたりが荒れすぎず、最後まで気持ちよく聴けるのがこのカバーの強さだった。

概要欄のクレジットまで読むと輪郭がつかみやすい

概要欄には、VoRec(加賀美)、VoEdit、VoMix、Mst、Inst、Illustration、Movieの担当が並んでいて、歌ってみたとしての制作体制がはっきり見える。誰がどう支えて一本になっているかが見えると、ただ「豪華なコラボだった」で終わらず、作品としてのまとまりにも自然と目が向く。

映像も、歌の勢いに対抗するような派手さを足すのではなく、声が入れ替わる瞬間やユニゾンの広がりを支える方向にまとまっている。音と絵の役割がきれいにそろっているぶん、場面ごとの温度差が伝わりやすく、見返した時の満足感も大きい。

葛葉と加賀美ハヤトの相性を素直に楽しめる一本

このカバーの良さは、どちらか片方が主役を奪う形ではなく、2人で曲の輪郭を立てているところにある。葛葉の少し翳りのある声と、加賀美ハヤトのまっすぐな強さが、ぶつかるのではなく補い合っているから、コラボとしての気持ちよさがかなり素直に残る。

原曲の持つ熱量を保ちながら、聴きやすさまでちゃんと残しているのも大きい。『夢幻』という曲が好きでカバーを探している人にも、葛葉か加賀美ハヤトの歌をよく聴く人にも、この組み合わせならではの良さがすっと伝わる一本だった。